西平守孝氏 沖縄美ら海財団参与
2011年から9年にわたり、毎年多くの児童生徒が個人やグループでサイエンスクラブに応募し、採択されて研究を行った。最終回の10回目が、新型コロナウイルスの影響で中止されたのは残念であった。
自然や動植物に関する公募研究の中で、研究者たちは自ら設定した問題の解決にそれぞれの方法で取り組み、それなりの成果をあげた。身の回りで感じた疑問、長年続けて取り組んだ課題、グループによって引き継がれてきた課題など、いろいろな研究があった。
成果や達成度は多様であったが、初回から研究成果の優劣を競うものではなかったため、採択された研究者たちは他の研究の進展や成果を気にせず、のびのびと取り組めたのではないかと思われ、フォローアップも役に立ったであろう。
研究は理想的には自由な発想に基づいて独自の洞察や手法を駆使して行ってほしいが、そのような研究展開の練習にもなったのであればよかったと思われる。成果を報告書にまとめ、全ての研究者が一堂に会して、限られた時間内に不特定多数の前で発表したことも、大きな意義があったと考えられる。
発表会後に全員を表彰し、研究施設見学への招待者がくじ引きで選ばれたこともよかった。サイエンスクラブの運営や参加の効果などを検証し、将来の指導、生徒の学習支援などのプログラム策定に活かしたい。
Powered by Facebook Comments