2014、15年度参加 玉城明依さん 見て触れて 強まる興味



「新報サイエンスクラブで科学への興味が湧いた」と話す玉城明依さん

 額田侑実子教諭と一緒に、名護中学校「科学同好会」を立ち上げた生徒の一人が、玉城明依さん(19)=琉球大学医学部医学科1年=だ。2014年当時は同中2年生。同好会で新報サイエンスクラブに参加し、身近な河川に繁殖していた外来種「ソードテール」を研究した。ソードテールの研究は高校でも続け、研究成果は高く評価された。「自然の中で実際に見て触って研究するフィールドワークはいい経験になった。サイエンスクラブでは専門家と話すことができて刺激になった」と当時を振り返った。
 玉城さんは、科学同好会立ち上げに「理科が好きで実験をしてみたかった。特に解剖はなかなかする機会がないので関心があった」と振り返る。研究テーマを模索する中で、身近な川で増えているソードテールが「性転換するらしい」ということに驚いた。「本当なのか確かめよう」とテーマに選んだ。
 研究では市内数カ所の川に網を掛けた。すると数百匹が掛かり「繁殖力の強さに驚いた」という。捕獲した魚は観察のため大小6~8個の水槽に分けて飼育した。水質の管理、水の入れ替えに追われた。
 翌年も新報サイエンスクラブに参加し研究を続けた。卒業後は名護高校生物化学部で「外来種の繁殖」の視点からソードテールに向き合った。研究は、県内高校生を対象とした「生物科学展」で最優秀賞を受賞した。
 玉城さんは今、医師への道を歩み始めている。「生まれ育った名護は、地元の病院では十分対応できない部分がある。地域に貢献できる医者になりたい」と力を込める。
 「中学のころから漠然と医者になりたいと思っていた」という玉城さんの背中を、研究が後押しした。「研究を通して実際に自然に触れたり、論文を読んだりすることで、勉強への意欲が高まった。科学への興味が一層湧いた」。夢の実現へ、研究で育まれた探究心が力になっている。

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