名護中学校在籍中に科学同好会を立ち上げた額田侑実子教諭。「新しいことを知る楽しさを経験してもらいたい」と話す
「理科は楽しいし、研究は面白い。それを生徒たちに伝えたい」―。現在、琉球大学付属中学校で理科を教えている額田侑実子教諭(38)は、名護中学校に在籍していた2014年、生徒に呼び掛け「科学同好会」を立ち上げた。同好会で新報サイエンスクラブに参加し、16年度までの3年間に計7チーム延べ20人ほどの研究を指導した。テーマは魚や両生類、植物などさまざま。新報サイエンスクラブについて「一つのテーマを長い時間を掛けて取り組める。研究の後にポスター制作をして、発表する機会があるのもいいと思った」と振り返った。
同好会を立ち上げた時は教員1年目で「手探りで進んでいった」と話す。最初は「私が生徒たちを引っ張っていかなくては」と気負っていたという。しかし「生徒が興味を持って積極的に取り組んだ。サイエンスクラブのフォローも助かった」と話した。
生徒たちと研究材料の捕獲に汗を流し、時間を忘れるほど熱中することもあったという。「実際に実験してみたら予想とは違いうまくいかないことや、生徒たちから良いアイデアが出てきたこともあった」と目を細めた。
実験を楽しんで終わりではなく、その先の考察、まとめなどの作業も大切にしてきた。「実験は楽しいという子は多い。ただ実験の後、なぜそうなったのかなどを考えるのは嫌だという子もいる。新しいことを知る楽しさを経験してもらいたい」と研究の意義を語った。
額田教諭はことし2月、沖縄電力主催の「第42回沖縄青少年科学作品展」で多くの優秀作品を指導してきたとして「優秀指導者賞」を受賞した。生徒の自主性を生かしてきた額田教諭は、受賞について「私、指導してきたのかなという思いもある」とほほ笑み、「サイエンスクラブも含め、長い期間子どもたちと一緒に研究して、作品を出してきた。それが評価されてうれしい」と話した。
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