シロオビアゲハの2型について


髙那匠史(海星小5年)

模様が違う謎に迫る


シロオビアゲハの2型について研究している髙那匠史さん=2019年7月、石垣市平久保

 黒い羽に、白の斑紋が帯状に並ぶシロオビアゲハ。そのメスには、白の斑紋に加えて赤の模様が差し、毒を持つベニモンアゲハに擬態する「2型」と呼ばれる種類がいる。「同じ2型でも個体が違うと、模様の入り方が違う」。そう気付いた髙那匠史さん(10)は、模様の違いについての研究を始めた。
 シロオビアゲハの食草・サルカケミカンが生える石垣島北部の平久保に週1回ペースで通い、さまざまなパターンの個体を採取。時には波照間島や本部町にも足を運んだ。個体を見比べ、「模様の違いは大きく分けて6パターンある」ことが分かった。「同じ採取場所でも、それぞれの個体の模様は異なるが、母チョウが同じであれば模様も似ている。環境や温度、遺伝のほかに特に食草との関係に模様の変化の原因があるのではないか」との仮説を立てる。
 2型のメスを強制採卵し、2型から生まれるのは2型だけなのかを確認したり母チョウとの模様の違いを調べたりする実験も進める。「雑種として生まれたのではないか」など、いろいろな仮説が湧いてくる。模様の違いの研究を通じて「なぜベニモンアゲハに擬態できたのかを解明したい」と力を込めた。

〈一言アドバイス〉

 2型に6通りパターンが見られたそうで、育った場所の環境との関係が明らかにできればいいですね。オスや通常型のメスの白帯のパターンにも注意して観察すると、ベニモン型の意味を考える材料が増えるでしょう。(西平)

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