大城蒼(那覇市立泊小6年)
在来種使い駆除挑む
アメリカザリガニの天敵となりうる在来種の生物を探し、駆除に使えるかを研究する大城蒼さん=2019年、本部町
昨年度、アメリカザリガニより在来種のテナガエビのほうが強く、エビがザリガニを食べることもあることを実験で確認した大城蒼さん(12)。今年度はアメリカザリガニと同じ環境にすむ在来種で、天敵となりうる生物を探し、それがザリガニの駆除に使えるのかを調べている。
インターネットなどで調べ天敵として選んだのはオオウナギ、テンジクカワアナゴ、モクズガニの3種。どれもアメリカザリガニと同じく止水域にすむ在来種だ。ウナギとアナゴを採取し、それぞれをザリガニと一緒に水槽に入れて観察している。1・5センチほどの小さなザリガニならカワアナゴが捕食するが、それより大きいと「仲良く共存している」という。アメリカザリガニから在来種を攻撃することはほとんどないそうだ。
また天敵は3種類とも海とつながっている止水域にすむ。アメリカザリガニはダムなどの淡水域にもすむがそこには天敵となる生物はいない。「アメリカザリガニは繁殖力でも在来種を上回る。天敵も小さなザリガニしか食べないし、在来種の力のみで駆除することは難しいのではないか」と考える。今後はまだ採取できていないモクズガニを探し、実験を重ねる予定だ。
〈一言アドバイス〉
大城さんも実験で気づいたように、身体の大きさによって食べる側と食べられる側の関係が逆転することもあります。アメリカザリガニの子供をたくさん食べる在来種がいると駆除に役立つかもしれませんね。また、同じ環境にいる外来種のカメやカエルなどとの関係も調べてみるとよいでしょう。(佐々木)
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