エビの不思議


大城蒼(那覇市立泊小4年)

意外と強い在来種


ミナミテナガエビの脚の標本を持つ大城蒼さん=那覇市

 1年生と3年生のときに沖縄島に生息するエビについて研究し、川にすむエビには上流へ遡上する種類と下流に留まる種類がいることを知った。どう違うのか疑問を抱き、今年はその差を調べることにした。
 違いを調べるため、実際にエビを解剖した。琉球大学名誉教授の諸喜田茂充さんにアドバイスを受け、遡上の際に重要な第3胸脚の長さや太さ、体長における割合をエビの種類ごとに比較する予定だ。
 また外来種のエビがヤンバルの川に放流されたことを想定し、同じ水槽で外来種と在来種を飼育。外来種のビーシュリンプと在来種のトゲナシヌマエビやミナミテナガエビを5匹ずつ同じ水槽に入れた。当初は警戒していたが、10匹仲良く暮らす水槽もあれば、在来種が脱皮直後のビーシュリンプを食べてしまったことも。石垣島在来種のイシガキヌマエビも同種同士で共食いした。「意外と在来種のほうが強かった」と笑う大城さん。今後も在来種と外来種の関係をみるため飼育観察を続けていく。

〈一言アドバイス〉

 沖縄の川やわき水は、日本で一番淡水性エビ類が多く見られる場所で、エビの研究には最適です。遡上したエビの成体が川のどんな場所でくらしているのかなども調べると、体の特徴との関係がより明らかになるかもしれません。(佐々木)

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