好き嫌いどこまで?

カバマダラの幼虫が食べる草の好みを調べる濱川陽さん(左)と妹の美波ちゃん。ベランダには植木鉢がいっぱい=宜野湾市の自宅
「柔らかくて、ぷねぷねしていて気持ちいい」。指、手の平、腕とカバマダラの幼虫を這わせて笑顔満点、すっかり゛虫愛ずる姫゛だ。毎朝学校に行く前にベランダの゛親友゛たちの様子を観察し「大きくなった。測ったら4センチだった」「さなぎになった」と発見や驚きを絵日記に記録している。
研究のきっかけは妹・濱川美波ちゃん(五つ)の一言だ。通っている幼稚園のトウワタにカバマダラの幼虫が群がっているのを見て「トウワタが大好きなんだね。ほかの草は食べないのかな」。確かめてみようと飼育を始めた。
ベランダのプランターには、カバマダラの食草であるトウワタのほか、ホウライカガミや百日草、サツマイモなど数種類を植えた。10本ほどのトウワタは、食欲旺盛な幼虫たちに食べられて丸裸。茎の表皮や細い茎まで食べてしまい、鉢の周りを盛んに歩き回るようになったという。
数枚の葉しかなくなったトウワタを前に「なくなったら他のものも食べると思う」と陽さん。百日草には少し穴が開いていたが、その後は食べる様子がない。餓死するよりはと違う草を食べだすのか、死んでも好みを守るのか-。家族そろって注目している。
- ふ化して5~6日の幼虫(1号、2号)。体長約4センチ。もうすぐサナギになりそう(8月28日)
- 2号は植物の茎で緑色のサナギに。1号はこの前日、黒い寒冷紗(日陰を作るための、荒く織った布)でうす茶色のサナギになっていた(8月31日)
- 無事に羽化した1号(9月5日)
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【幼虫(3号)がさなぎになる瞬間】
枝に止まり、動きが鈍くなった幼虫(3号)の背中が破れ、中から白い体が…
- 激しく体をくねらせながら、脱いだ皮を上へ押し上げていき
- 激しく体をくねらせながら、脱いだ皮を上へ押し上げていき
- ぽろっと皮を落とし、さらに体を動かしてサナギの形に整えた後、動かなくなった。(9月5日)
識者コメント
幼虫がトウワタだけを食べることを、よくくふうして調べましたね。いろいろな植物の葉を混ぜておいても、幼虫はちゃんと選べるかな。卵を産むとき、チョウもトウワタを見分けられるかどうかもしらべると、さらにおもしろいかもしれませんね。(西平)
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