目的外の発見も

植樹活動につなげようとマングローブ種子の発芽条件を調べる美東中のメンバー=沖縄市の同校
マングローブの種子は「胎生種子」と呼ばれ、親である木の枝についたまま発芽し、ある程度成長してから枝から落ちて側根を伸ばす。この種子をたくさん取ってきて、いろいろな条件で育てている最中だ。砂の上に挿すのと寝かすのでは側根の成長はどう変わるか。水の塩分濃度を変えるとどうなるか。8人のメンバーが役割分担し、夏休み中も週3日は学校に来て世話をしたり記録を取ったりした。
そんなある日、育てている苗を食べている虫を発見した。その種子を切ってみると中にも虫がおり、内部を食い散らしていたという。早速その虫はエタノールに漬けて標本に。後日、実験を終えた苗を州崎のマングローブ林に植えに行ったとき、同じ虫が泥の上にいるのを見つけて大喜び。メンバーたちは「本来の目的とは違うが、発見があるのは面白い」と目を輝かせた。
- 種子を植える水の塩分濃度を、(手前から)0%、3%、5%、10%、20%と変えてみた。結果は歴然、塩分が濃くなると葉も出ないうちに枯れてしまった
- マングローブの植樹をするメンバー=うるま市州崎
識者コメント
環境保全の継続的活動、素晴らしいです。枝ごとに蕾・花・果実・胎生種子がいくつ付いているかも調べ続けると、それらの寿命や種子生産量が分かるかも。実験で、挿す・寝かす・浮かすことの意味を、接触と明暗の違いで整理しておくと、考えやすいかもしれません。(西平)
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