生命の神秘に感動

うるま市宮城島のオカガニの生態観察を続けている(左から)伊良皆翼君と照屋要平君=那覇市の那覇高校
過去2年の調査で、年2回放卵すること、宮城島では13年前と変わらない個体数が維持されていることが分かった。巣穴や捕獲した個体をマーキングして行動範囲を調べているほか、校内に飼育施設を造り、オカガニの生態観察を続けている。
宮城島と瀬長島、大宜味村喜如嘉でサンプルを採集し、各地の遺伝的な差についても調べている。論文で発表されている台湾に生息する個体のミトコンドリアDNA配列と宮古島、伊良部島に生息する個体で変異が見られた。今後は宮城島との比較も始めるという。また、ことし海岸でマーキングした放卵個体のうち、2回目の放卵を確認したのは9月時点で11%だった。
「満月時の放卵の様子は、生命の神秘を感じる。今後は巣の形状など調べたい」と伊良皆翼君。照屋要平君は「2年前にマーキングしたものが脱皮をせずに交尾をして卵を産んでいることが分かった。もっと生態を探りたい」と意欲的だ。
- うるま市宮城島での調査で撮影したオカガニ(山﨑仁也教諭提供)
- 遺伝子解析など実験中の照屋要平君(左)と伊良皆翼君=那覇高校
識者コメント
オカガニ保護のために、基本となる繁殖生態、特に産卵時の巣での交尾などの行動観察や飼育下での生態観察など、目標を明確にした調査は、その成果が期待されます。ミトコンドリアDNAの分析による台湾や宮古諸島の個体群との系統分析の結果が大変楽しみです。(安座間)
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