゛巨大コロニー゛島覆う?

日々の採集や世話を重ねて、小さなアリを見分ける「アリ目」を磨く生物部のメンバー=宮古島市の宮古高校
世界的に外来種問題を起こしているアルゼンチンアリでは、ヨーロッパで数千キロの範囲にわたり互いを攻撃をしない「超巨大コロニー」が報告されている。アルゼンチンアリ同様、外来種として世界中に広がっており、宮古島の海岸にも多数いるツヤオオズアリも、島を一周する超巨大コロニーを作っているのではないか-。このような仮説を立て、各地でアリを採集・飼育し、出身地の違うアリ同士をケンカさせて検証している真っ最中だ。
同時に進めるのが宮古島や周辺離島にいるアリの標本作りだ。各地で採集し、顕微鏡をのぞいて種を同定した標本は300以上。初めは同じに見えたアリたちも、いまでは一目で「だいたいの種類が分かる」までに。2014年開通予定の伊良部大橋架橋後に、伊良部島のアリの種類がどう変わるかというテーマも温めており、後世に残る記録となりそうだ。
- 宮古島島内でよく見られるツヤオオズアリ。現在、メンバーがコロニー間の関係を調べている。右の頭の大きな個体は兵隊アリ、左の個体は働きアリ
- 野外でアリを採集する宮古高校生物部部員。小さなアリはチューブで吸い取る=宮古島市高野漁港海岸
- 朽木はツヤオオズアリが巣作りに好む場所。木をひっくり返してアリを探す=宮古島市高野漁港海岸
識者コメント
宮古島と周辺離島のアリ相を明らかにすると共に、ツヤオオズアリの生態、特に島全体の複数のコロニーが一つの巨大コロニーではないかという壮大な仮説を立て、室内での観察も交えて進めるなど楽しみな研究です。(安座間)
Powered by Facebook Comments