生態系への影響いかに

宮里結さん(右端)が持つ瓶にプラナリアがいる。河川では志賀加奈子さん(左端)、宮城脩子さん(右から2人目)が持つスポイドでプラナリアを集め、田中直歩さんが示すイラストを参考に種を同定する=南風原町の開邦高校
県内の淡水性プラナリアはナミウズムシとリュウキュウナミウズムシが知られているが、水質が悪化した中南部では外来種と見られるものも確認されている。まずこれらの種を同定しようと、北部から南部まで本島内24河川でプラナリアを捕獲。学校に持ち帰って顕微鏡で観察し、見分けにくいものは染色体を使って区別していく。
河川ではパックテストで水質を調べ、プラナリア以外の水生生物も種類や数を記録することで、環境による生物相の違いを肌で感じている。中南部では北米原産のプラナリアがよく見つかるほか、特に汚染の進んだ南部の河川では、東南アジア産と見られるものも見つかったという。
今後は学校で飼育しているものを使って、在来種と外来種の交雑や捕食、競争関係を調べる予定だ。「ヒトへの影響がある種ではないけれど、生態系への外来種の影響が分かるのでは」(宮城脩子さん)と意欲を燃やしている。
- 外来種のプラナリア(北谷町白比川で採取)
- 在来種のプラナリア(名護市原河川で採取)
- 本島内の河川を回ってプラナリアや他の水生生物を調べる開邦高校のメンバー=7月、大宜見村の平南川
識者コメント
近年、外来種による生態系の変化が問題になるが、生息している他の生物との関連についても気になるところだ。県内各河川における水質調査と併せた結果は、今後の生態系の維持の観点からも大変興味のある研究である。(下地)
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