港川フィッシャー遺跡から発掘された小動物化石について
伊礼史香、崎浜麻央、福島斐弥、小池美沙貴、喜納美紅
長井智世、堀江さくら、當間佑、糸洲美沙、眞喜屋さやか
島袋晃次 真和志高・科学クラブ(3年)


化石の骨゛主゛は誰

数万点に及ぶ化石の同定に取り組む真和志高校科学クラブ=那覇市の真和志高校

 1970~71年、旧具志頭村港川で発見され、日本人のルーツを探る貴重な資料として注目されている港川人。この化石が見つかった1万6千~1万8千年前の堆積層からは、絶滅したシカのほかヤンバルクイナやネズミ、イモリなどの化石も見つかっている。
 数万点にも及ぶ骨のうち、どの動物のものか種が同定されたのはほんの一部。小さいものでは3ミリ足らずの骨を顕微鏡で観察し、現在の動物の骨と比較して種の目星をつける。そしてそれぞれの骨の長さや幅を計測し、その時代にどんな動物がいたのか、現代の動物と同じなのか違うのか、こつこつと調べている。
 足かけ3年の作業で仕分けたのはイモリなどの仲間である有尾目の骨1万2586点。県の天然記念物であるため、なかなか手に入らなかったイボイモリをことし解剖し、骨を比較することで、去年は「シリケンイモリではないだろう」と判断された化石を「イボイモリだろう」と可能性を高めることができた。
 「作業に飽きることはすごくあるけど、古い化石を研究し、自分たちで結果を出せるのはとても達成感がある」と部長の伊礼史香さん。部員同士の明るいおしゃべりの楽しさが、根気のいる作業を支えている。

識者コメント

 2009年度の3年生の継続研究である。昨年までの研究で動物化石の中に含まれていた「イモリ類」には少なくても2種類が含まれていることが分かった。今年度は、沖縄島北部に生息するイボイモリ等との比較により種名の判明に取り組んでいる。「港川人」の生活環境に対する新たな提案を期待する。(下地)

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