自然の豊かさ実感

オカガニのほかに、干潟の貝や海の魚なども調べる伊良部島自然クラブ=宮古島市の伊良部高校
昨年の調査では、伊良部島と下地島の間の水路の奥まったところで放卵するメスを見つけた。「感動した」と喜びながら、雨水が流れ込んだり海水が干上がったりする場所での放卵に「どのくらいの塩分濃度まで耐えられるのか」と疑問を持ち、幼生の飼育実験を実行。真水に対する海水の割合が70~120%だと生きられることも突き止めた。
去年は4人だった部員も今年は9人に。仲間が集まれば方言での呼び名からテレビで見た話まで、生き物の話で持ちきりだ。サンプルの捕獲能力ナンバーワンの前里直道君は「野外調査は車での移動中も楽しい」と満喫、山口部長は「自分たちの住む島の自然の豊かさを実感できる」と満足そうに話した。
- 野外で見つけた卵を持った個体=渡口の浜
- 夜間、産卵に山から海へ向かうオカガニを探す=市道伊良部115号線、渡口の浜へ続く道(通称カニカニロード)
- 貝類など海辺の他の生物も採取して調べている=国仲の入り江、(伊良部島と下地島の間の水路)
識者コメント
地域の自然環境の理解と保全のための基礎データ収集という点で大変意義深いものがあります。その中でもオカガニの繁殖生態を中心に、幼生の塩分濃度に対する耐性や繁殖時の行動観察などの研究は、那覇高校とも関連するようです。相互の情報交換なども交え、研究が深まることを期待しています。(安座間)
Powered by Facebook Comments